またしてもオンカジの闇が、予想外の形で露呈した。
今回その中心にいたのは、読売ジャイアンツの外野手・オコエ瑠偉。
プロスポーツ選手がオンラインカジノを利用していたというだけで大きな話題だが、金額や経緯、そして背景にある心のあり方まで考えると、これは単なる一選手の問題では済まされない。
むしろ、この国でオンカジという存在がどのように浸透し、歪んで受け入れられているか、その象徴に思えてくる。
スマホさえあれば誰でも始められる。
ゲームの延長のように感じてしまう。
だが、オンカジはあくまで「賭博」。
それが当たり前のように広がってしまった現状を、今回のオコエ報道は強く突きつけているように感じた。
オンカジがプロ選手の日常に入り込んだ理由
報道によると、オコエ選手はバカラなどにのめり込み、数百万円単位の賭けを繰り返していたという。
増田大輝選手とともに書類送検されたことも驚きだが、それ以上に驚いたのは「オンカジがここまで日常に入り込んでいるのか」という点だった。
遠征先でも、深夜でも、空き時間でも、スマホを開けば簡単にベットできる。
国内にカジノがなくても、ブラウザの向こう側にはバーチャルの賭博場が広がっている。
しかもその操作感はゲームとほぼ変わらず、金銭感覚すら狂わせていく。
これはもはや依存ではなく、生活の一部として入り込んでいる状態に近い。
そして、プロ選手という立場はある意味で「浮世離れ」している。
常にプレッシャーと期待にさらされ、生活リズムも一般人とは異なる。
そんな中でオンカジは、手軽にスリルを得られる“逃げ場”になっていたのかもしれない。
だが、その代償はあまりにも大きかった。
誰が彼らを止められたのか
いちばん引っかかったのは、「なぜ誰も止められなかったのか」ということだ。
巨人という球団には、若手の指導係やメンタルケアの担当者もいるはず。
それでもオンカジの利用を防げなかったのは、球団内の情報共有や教育の甘さを示しているのではないか。
本人たちも「軽い気持ちで始めた」と言うだろう。
特にオコエ選手は、これまでにも何度か素行を問題視されてきた過去がある。
今回の件が最後のチャンスを潰すきっかけになってしまうのだとしたら、彼の野球人生だけでなく、オンカジという存在が多くの若者に与える影響そのものが問われるはずだ。
今回は書類送検という形で済んだが、逮捕されたかもしれない。
オンカジに関する詳しい情報サイトにはオンカジの違法に関する記事もあるので要チェックだ。
Xに広がる“賭博の空気”
事件発覚後、Xでは「バレたのがオコエでよかった」「氷山の一角」というような投稿が目立った。
つまり、プロ野球界に限らず、オンカジがXを通じて広く蔓延しているという空気が前提にあるということだ。
実際、オンカジアフィリエイトの投稿は日常的に流れてくるし、勝利金のキャプチャや爆勝ち報告も跡を絶たない。
その中に、一般人と同じようなアカウント名のまま“遊んでいた”プロが紛れていても、気づかないだろう。
匿名性と拡散性を備えたXという場所は、オンカジにとって最も相性が良いフィールドの一つでもある。
そして、その空気に慣れてしまうと、どこからが“違法”なのかの感覚が鈍くなる。
カジュアルな言葉で語られ続けた結果、本来なら重い行為であるはずの賭博が、SNSの中で「ちょっとした息抜き」になってしまう。
その違和感が、事件後の反応の軽さにも表れていたように思う。